特注インレタ注文方法
スクラッチビルドで車両を作る場合、社紋、車番の表現に困る場合があります。市販されている場合はそれを使えばすみますが、そうでない場合、あるいは、市販されているものの実際の車両と異なる場合には使えません。よほど手先が器用であれば、面相筆で手書きなんてこともできるでしょうけれど、私のような素人にはデカールを自作するか、インレタを特注するのが近道です。
ここでは、特に N ゲージのオリジナルインレタで有名なくろま屋さんへのオーダー方法を説明します。くろま屋さんのホームページにもオーダー方法は説明されていますが、私の場合、日本国外と遠方に住んでいるので原稿の受け渡しに手間取りますし、印刷した紙を送るよりは原稿を直接電子データで送ったほうがきれいに出来るということで、その紹介です。
なお、HO/16番サイズのオリジナルインレタは、エコーモデルさんが代理店販売をされています。特注もエコーモデルさん経由でできるとのことです。実を言いますとエコーモデルさんにくろま屋さんを紹介していただきました。
まずは、原稿を作成します。くろま屋さんのホームページでは、プリンタで印刷した原稿、あるいはイラストレーターのデータでの受け渡しが可能とありますが、フォトショップのファイル(あるいはポストスクリプト)でも大丈夫とのことですので、フォトショップで作成しました。
くろま屋さんは、他の多くのデザイン、DTPを手がけてるオフィス同様、Macintosh を使われていますので、Windows あるいはその他のシステム固有のフォントを使用した場合、若干の違いが出る場合がありますので注意しましょう。 原稿ですが、京阪 1300型/1700型の車番インレタを例に説明します。フォトショップで以下のように原稿を作成しました。インレタは1色のみなので、グレースケールで作成します。RGBカラーで作ると、グレースケールに落とすときにイメージ品質が落ちるそうです。A4サイズに適当な大きさで必要な車番号の数字を配置します。実際のインレタはこれより小さくなりますので、大きめに作って、最終的なサイズはくろま屋さんに指定して最終原稿を作ってもらうことになります。 1300型の車番に適当なフォントを持っていませんので、インターネット上から似たようなフォントのイメージを探して拝借し(下図、右側)、くろま屋さんに似たようなフォントで作って欲しいとお願いしました。 オーダーの際に必要な情報は、原稿、最終的なサイズ(今回の場合、大きな数字が縦 2.0mm 小さな数字が縦 1.4mm でお願いしました)、そして色(1色のみです)、それに必要枚数です。 【イラストレーターデータの入稿】 その後、アドビ、イラストレーターを購入しました。Photoshop などのビットマップ系のソフトウェアに比べ、イラストレーターに代表されるベクター系のソフトウェアは、サイズを変更したときにもオブジェクトの形が変化することがありませんので、大きく編集して好きなサイズに変更することができます。インレタの原稿作成に向いていると思います。 私の購入したイラストレーターのバージョンは、CS と言うもので、旧バージョン表記ですと、バージョン 11 に相当します。くろまやさんを含め多くの DTP 業界では、バージョン 8.0 がまだ標準のようでして、くろまやさんにもバージョン 8.0 のデータフォーマットでの入稿が必要です。 システムによってフォントの有無がありますので、文字データはすべてアウトライン化するといいでしょう。 |
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原稿見本(実際は、PSDファイルで送っています)
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1300型フォント見本
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フォトショップのデータは大きいので私の場合、Web経由で受け渡しをしましたが、Sit
形式で圧縮してメールで送っても大丈夫だと思います。実際の受け渡しは、くろま屋さんとメールで相談すればすみます。
原稿を送ってすぐにくろま屋さんから、1300型に使うフォントの見本が返ってきました。かなり実車に近いイメージですので、大満足ですぐに注文を出しました。 |
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くろま屋さんにいただいたフォント見本 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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原稿を送った時点で、くろま屋さんにいただいた見積もりは、以下のとおりです。納期は原稿を送ってから、通常3〜5日でできるそうです。10日も見ておけば余裕で出来ると思います。見積もり右側は原稿を自分で作成し、くろまやさんで変更のない場合の料金です。
同じく A5版サイズの場合の見積もりです。
これを高いと考えるか、リーズナブルと考えるかは、個人差があると思いますが、要はどれだけ製作している車両に思い入れがあるか、ってことではないかと思います。 |
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インレタがくろま屋さんから納品されました。希望どおりのものがとてもきれいに仕上がっていて感動です。インレタは降り曲がらないようにこれでもかと言うくらい厳重に梱包されていました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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出来上がったインレタを実際に車両に転写しました。京阪社紋、社番ともに赤に映えています。デカールですとここまできれいにはいかなかったと思いますので、多少お金がかかるもののオーダーして良かったと思います。
このあとクリアをふきますが、くろま屋さんからのアドバイス・・・ インレタは有機溶剤系のクリアコートにとても弱く、一度にふきつけると溶けてしまうことがあるので、一度に大量にクリアをかけず少しずつ確実に乾かしながらふきつけると良いとのことです。 クリアをふかない場合、インレタの強度は日増しにある程度は強くなっていくとのこと。薬屋さんで売っている花粉症の方が使うローションティッシュで車体を巻いておくと保護できるそうです。そんなものアメリカでは売っていませんので、どんなものなのか私には見当もつきませんが。いろいろとアドバイスもいただき、くろま屋さんには非常に感謝しています。
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